
本日午後、名古屋市東区の愛知県女性総合センター(ウィルあいち)で、「緊急シンポ どうなる愛知県及び名古屋市の公立夜間中学」が開かれました。愛知県と名古屋市で2025年春に開校予定の県立、市立夜間中学の役割や要望などについて、識者らが意見交換し、市民や学生、支援ボランティア、研究者のみなさんと、ZOOMでの参加で計約100人が参加しました。主催は『公立夜間中学の設立を求める愛知連絡協議会』で、共済は『NPO法人参画プラネット』、後援は『国際協力機構』です。
戦後の混乱や貧困などによって、義務教育を修了できなかった高齢者を中心とした、かつての夜間中学の社会的な役割は、地域の国際化や格差の拡大などによって、激増している外国籍または外国にルーツのある子どもたち、既存の中学校で生きづらさを感じる不登校の子どもたちも視野に入れた多様な生徒の学びの場としての新たな役割を期待されています。
識者は、名古屋市立夜間中学の設置に関する有識者等会議座長で、基礎教育保障学会会長の岡田敏之さん、香川県三豊市立高瀬中学校夜間学級教諭で岡山自主夜間中学校代表の城之内庸仁さん、三重県四日市市立内部中学校教諭の藤川純子さんで、それぞれ登壇しお話しされた後、会場のみなさんと一緒に、目指すべき夜間中学校のあり方などについて語り合いました。
とても心に残ったのは、城之内さんの『夜間中学は「あってはならない学校。でもなくてはならない学校」だ』という言葉。
昼間の学校の制度やルールが、現実の社会的な変化に柔軟に対応できない「一斉性」をもつため、そこからこぼれ落ちてしまう子どもたちの受け皿としてなくてはならない場として、夜間中学がとらえられている現状を指摘され、本来は誰も取り残さない『インクルーシブ』であるべき学校教育が、その硬直性ゆえに、夜間中学がそれを補完するための「なくてはならない学校」になっていると述べられました。加えて城之内さんは「人・もの・カネがない中で、多様性を認める柔軟な運営を公立夜間中学に期待するのは容易なことではない。」とも。
コーディネーターの笹山悦子さん(名古屋市にある自主夜間中学はじめの一歩教室の代表)は、「私たちのような民間の取り組み、活動の知見を、これから始まる公立夜間中学校が活用してほしい」とおっしゃってみえました。
国が各都道府県、政令市に夜間中学校を設置することを求めており、岐阜県でも設置に向けた「夜間中学ニーズアンケート」が本年度行われました。そのアンケートが10月末に締め切られ、現在その結果を分析しているところです。この調査結果をもとに、岐阜県内のどこの市町に夜間中学校を設置するのかなど、今後詳しいことが決まってきます。
私は今年の3月議会で議会ではじめて夜間中学校について質問しています。『生徒が主役』の「公立夜間中学校」を設置することと、教育機会確保法は公立と民間の連携を促しており、地域のみなさんと協働しながら、学習する人(生徒)の学びを保障する学校のあり方を考えていきたい。そのための気づきやヒントをたくさんもらえました。お誘いいただき、本当に感謝です。
公立の夜間中学像について語り合うシンポジウム 名古屋|NHK 東海のニュース
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